3回のお正月とは、新暦の正月である1月、旧正月の2月、クメール正月の4月のことです。カンボジアのクメール正月は4月13日の22時頃に新年を迎えました。

新暦のお正月1月1日は、カンボジア人にとって特別な日ではなく、普通の日と変わりません。農村部に住む人々は1月1日が、世界的なお正月ということすら知らない方も多くいます。よってカンボジア国内で1月1日の新年を祝うのは、外国籍の在住者や観光客が集まるレストランやホテルなどの一部のみとなります。
2月には旧正月を迎えます。カンボジアには中華系の方が多くいますが、旧正月は祝日にはなりません。中華系の商店やレストランを経営されている方々は数日間、休むこともあります。旧正月は、街の中を伝統的な獅子舞が舞い踊り、音楽とともに町が賑わいます。
3回目のお正月は、4月14日~16日のカンボジアのクメール正月です。ほとんどのカンボジア人はクメール正月期間にあわせて、故郷に帰省し、年末年始の時間を大切な家族と過ごします。その間、皆が集まる家では日本のように年末の掃除を行い、玄関には伝統的な星型の灯籠(スターランタン)やカラフルな電灯などを飾ります。カンボジア人にとって、スターランタンの光は栄光、幸運、繁栄をもたらすと信じられています。


現地では古くから、新年を迎えるにあたり、旧年の不浄を水で洗い流さなければならないと信じられています。この水かけの儀式はクメール文化における消えることのない伝統として受け継がれています。この水掛けに参加する際の注意点としては、暗黙のルールで「怒ってはならない」があげられます。街中では老若男女問わず水を掛け合いますが、この日だけは皆が楽しくがモットーです。


水掛けのほかにも伝統的な正月遊びがあります。日本の運動会で行われるような綱引きをしたり、ドンゴロスに入って競争したり、お金の入った壺を目隠しして割るようなゲームをして楽しみます。



日本のお正月では、年越しの時に年越しそばをいただいたり、おせち料理を食べたりしますよね。カンボジアでは各家庭で料理を作り、それらをお寺に奉納します。そして、仏像や私たちの身体を水で清める儀式も行います。


今年のクメール新年は、国内外から約2200万人の観光客が様々な観光地を訪れたそうです。
全国ではさまざまな新年のイベントが盛大に開催され、無事に新年を迎えることができました。
この記事をお読みになられている方は、来年2025年4月のクメール正月水かけ祭りに参加してみてはいかがですか。想像以上に楽しいイベントなのは間違いないです!